地方創生推進班の取り組み ― 西粟倉が挑戦を続けられる仕組み

地方創生推進班の取り組み、これは西粟倉が挑戦を続けられる基盤としたい。
3年前、総職員数43名(うち幼稚園教諭5名、保健師3名、看護師2名)の約1/3の職員にあたる12名に辞令を出し「地方創生推進班」を立ち上げた西粟倉村役場。
今、この推進班の取り組みから様々な取り組み、事業、組織が立ち上がっています。

3年前、村長が地方創生により力を入れて取り組もうと生まれたのが、地方創生推進班(以下:推進班)。この班は、役場の課を超えた地方創生に取り組む横断チームです。
メンバーは当初12名。
西粟倉村が地方創生に取り組むことの象徴としてのチームでもあります。

当初はただ「地方創生に取り組む」ことは漠然としていて、何を議論して何を作るのか見えないなど、手探り感もあり悩みながらの取り組みでした。

地方創生推進班の取り組みが始まった最初の年、チームのメンバーと

そうした手探りの中でも初年度に、村のこれからの旗印となる「生きるを楽しむ」というキャッチコピーを生み出し、その実現に向けてのプロジェクトの企画立案、仮説検証を重ねて実践してきました。

ここから生まれたプロジェクトは、企業と連携しながら地域資源を活用する事業創発に取り組むプロジェクト「むらまるごと研究所」や、教育にアプローチする「あわくら未来アカデミー」、一時託児をはじめとする子育て支援です。
今現在も、民間との連携や受け皿となる組織が誕生しながら確実に動いています。

推進班はこの3年間を通じて、2期生5名も加わり総勢17名の職員が関わってきました。加えて各課長たちとの議論も重ねながら全庁で地方創生に取り組んできた西粟倉村役場。

今年度の春からは新たな部署「地方推進室」も立ち上がり、地方創生において次のステージに進もうとしています。

推進班の取り組みをはじめ、西粟倉村には、役場の既存事業からスピンアウトして生まれた事業がたくさんあります。
これらは今の縦割りの組織体系の中では、どこかの課1つで担当できないものばかりです。

例えば、1つの事業が健康にも、観光にも、産業にも関わってきています。展開次第では教育にも関わります。そうなると役場では、保健福祉課か、産業観光課か、教育委員会か、どこが担当するのか判断しにくくなります。

これらに「地方創生」という大きな傘をかけて誰かがハブとして見ながら、事業、人、リソースを有機的に繋ぎ合わせて、効果が最大に出るようにファイナンスも含めて仕組みにしていく必要があり、ここを推進室が担っていきます。

推進室では、より新たな価値創造に挑戦していこうとしています。
それは、既存の考え方の枠を超えた「価値」を生み出していくことです。
既存の考え方では、「そこにある価値をどう引き出すか」「どう最大化するか」でしたが、これからは新たな仕組みや視点、考え方を取り入れて「価値」を再定義していく必要があります。推進室ではここに意識を持って取り組んでいきます。

例えば、これまで西粟倉村では「百年の森林(もり)構想」という木材生産のプロジェクトを推進してきました。森林資本の価値の最大化のために、川下や川上の整備に取り組んできました。しかし、これからは森林という場所をスギ・ヒノキだけでなく短期間で収益性のあがるモノの生産拠点にしたり、健康や教育などのコトによる価値を出すなど、新しい森林ローカルベンチャーが生まれる場所として活用することができるのではないかと考えています。

このような俯瞰した視点を持ちながら価値を再定義していくことは、推進室だからできることだと思っています。

村の基盤を守り、支えながら西粟倉村役場は、常に柔軟に進化を続けていきます。