美味しい、楽しい暮らしの秘訣

農家 建元明子さん

こんにちは!エーゼロ(株)の岡野です。廃校でうなぎや野菜を育てながら、未来の里山をつくりたいと思っています。

今日は、農産友の会の中心人物だった建元明子さんのお話を伺いにきました。ポカポカ陽気の中、軽快なステップで何かを踏みつけている明子さんを発見。何をされているのでしょうか?

「黒豆大豆っていうんじゃでな。こうするとすぐ出るんじゃ。」

へえ、踏んでも潰れないんですね。

「家族で食べて、残りは道の駅あわくらんどに出すんじゃ。秋口に枝豆で食べても最高だで。ブリっと大きくて、コクがあるんじゃ。」

ビールと一緒に食べたいですね。

そうだ、今日はお話を録音させて下さい。西粟倉の自然から美味しさを取り出せる明子さんのノウハウを記録したいんです。

「ふふふ、どがしなんだもんが、恥ずかしいが。」

「時代が変わったでな。今はもうな、若い人はほんまに作るって事を知らない。千円も出したらなんぼでもあるがな、海外からでもどっからでも。真空品や缶詰がいくらもあるがな。私らは昔の人間なので、豆を育てて水炊きして使うんだで。」

あちらの畑の作物もお豆ですか?葛みたいに見えますが?

「あれはナタマメの木じゃよ。採ったものを干してあるから、見してあげらあ。」

うわっ、大きい豆ですね!皮を剥いて食べるんですか?

「あのなあ、ナタマメ茶にするんじゃよ。皮も豆もまるごと摺るんじゃよ。大根おろしみたいにズズーと摺って、紙の上で乾かすんじゃ。10月から年の暮れまで、この縁側でずうっと干しとる。」

「ちょっと色がでて、ちょっと甘味があって、何にも臭いはねえ。飲みやすいんで。鼻がすうっと良くなるんじゃ。鼻が詰まったり、グシュグシュする人も良くなる。私も一年中飲んどる。」

「道の駅に出すと、すぐに全部売れてしまう。葉っぱも茎も、丸ごとお茶にして下さいって言われるんじゃ。すぐに売れちゃうんじゃが、孫にあげる分はとってあるんじゃ。」

お孫さんが羨ましいです。

「種を分けてあげるので、育ててみんしゃい。3月に植えるんだよ。」

おぉ。嬉しいです。ありがとうございます!明子さんは色々な農産物について、どうやって学ばれたんですか?

「農産加工友の会ちゅうのがあってな、道上さんから声をかけて頂いて、友達3人とやっとたんじゃ。道上さんには本当にようしてもらった。美味しいこんにゃくや豆腐を作ろう!って言って、広島とか遠いところに行って良く勉強したんじゃ。しそ入りのおかきを作って岡山市まで売りにいっとったな。1月、2月の寒い時期には、米麹で味噌を作ってな。この地域一帯の味噌を作っとったんじゃ。友達と皆で楽しかったよ。」

「みんな施設に入ったり、あっちの世界に行ってしまったけど、私は元気。みんなのお陰でとても楽しかったし、みんなのお陰で今も私は幸せじゃよ。良い人生。これからは若い人達の時代じゃよ。あんた達がようやれたらいいなと皆言うとるよ。」

ありがとうございます!でも、これからも色々教えて頂きたいです。

「もう少し若ければ、同じメンバーでやるんじゃけどな。あんたらもお互い仲良く頑張るんじゃよ。」