広報にしあわくら 2020年9月号より

目次

SDGs未来都市にしあわくら  ~村の未来を創る、考える~ 第2話

西粟倉村の目指す2030年

 SDGsの達成期限である2030年、西粟倉村は「brighten our forests, brighten our life, brighten our future!! 生きるを楽しむ」をキャッチコピーに、この地域に暮らす様々な人たちが、それぞれに役割を担い、楽しみながら暮らすことができる「百年の森林に囲まれた上質な田舎」となることを目指しています。

村がSDGs未来都市に選定された理由

 西粟倉村はSDGsの理念に沿って、環境・経済・社会の三側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現する可能性を秘めている都市・地域としてSDGs未来都市に選定されました。先導的な取組にチャレンジする都市として西粟倉村が他都市のモデルとしての役割を求められています。
 次に、村の取組がSDGsのどのゴールにつながっているのかを見ていきましょう。

【環境:環境林拡大、森林資源の多様化・効率化】関連するゴール

◆百森事業:現在契約面積
→1,299ha

◆百森2.0:森林信託、環境林化

 民有林の買い取りによる村有林化を行うとともに、今年度から三井住友信託銀行及び住友林業と提携して商品化する国内初の森林商事信託が実現しました。
 民有林を村が主体となってまとめ、整備を進めてきましたが、場所によっては作業道が作れず整備が行き届かない山林が多く、このままでは土壌が痩せて、豪雨時には災害発生の危険性が高まります。そこで、山頂部や河川沿を自然林化し、災害に強い山林を作る取組を計画しています。

◆再生可能エネルギー

「百年の森林づくり事業」の間伐施業で搬出されるC材・林地残材を薪燃料として、石油などの化石燃料に代わる熱エネルギーとして地域内温泉施設で利用し循環する仕組みを構築しました。小型バイオマス熱電併給事業の導入により地域内資源利用と再生可能エネルギー利用拡大を促し、持続可能な地域を目指します。

【経済:ローカルベンチャー事業の多様化・活性化】関連するゴール

◆ローカルベンチャー

 現在45の多種多様な事業が展開されており、そこで新たな雇用を生み出し続けています。ローカルベンチャーは森林資源を起点に増殖し始め、今ではそれまで地域になかった物づくりやサービスが生まれてきました。
 ローカルベンチャーがこの先も生まれ続け、発展していくためには、村外の西粟倉村ファンの存在が重要となります。

◆西粟倉村のファン(関係人口)の拡大

 西粟倉村の住民ではないながらも、村に興味を持ってくれている方、村の商品を買ってくれる方、ふるさと納税や村の取組への出資をしてくれる方。こういった方々を関係人口と呼び、西粟倉村はその拡大を目指しています。
 ソフト面ではフルリニューアルした「アプリ村民票」を活用、ハード面では村有宿泊施設の更新を予定しており、関係人口を作り受け入れる体制を整えています。
 「森林ファンド」を含め、地域の関係人口を創出するとともに、関わり続けてもらう仕組みづくりと、関係人口コミュニティを醸成していく仕組みづくりを構築しています。

※「アプリ村民票」とは
村との多様なコミュニケーションを支援するアプリ。8月日にフルリニューアル。
※「森林ファンド」とは
投資家からの資金により森林施業を実施し、間伐材等による利益を還元する仕組み。

【社会:暮らしの多様化に挑戦】関連するゴール

 この村に暮らす人々の選択肢を広げることを西粟倉村は目指しています。それは、地域が持続していくために必要なことであり、行政だけでは成し得ないことです。
 今年7月、役場と企業が共同で設立した研究機関「一般財団法人西粟倉むらまるごと研究所」が誕生しました。西粟倉村をまるごと検証フィールドとして、村の課題からより良い未来を目指し、分野を横断した、ここでしかできない研究を進めています。
 「一般社団法人」は次世代を担う子どもたちのキャリア教育機関として、今年4月に設立されました。「西粟倉だからこそできる、これからの社会を自分らしく生きる力が育まれる教育」を目指し、ESD、ユネスコ教育を通じてSDGsに取り組んでいます。

 今回は、西粟倉村のこれまで、そしてこれからの取組の多くが、SDGsの達成につながっていることをご紹介しました。今回取り上げた取組は大きな事業単位のものでしたが、SDGsの達成には、一人ひとりの日常的な選択や習慣を変えることでしか成し得ないものも多くあります。SDGs達成のために私たちは何ができるのか、一緒に考えていきましょう。

今日からできる! SDGs「食品ロスを考えよう」

 世界では毎年憶トンの食糧が生産されていますが、そのうち三分の一が廃棄されています。
 日本では廃棄量の約%が家庭から出た食品ロスでした。
 ご家庭では食べきれないほど食品を買いすぎないようにしたり、食べきれない食品は冷凍するなど工夫してロスを防ぎましょう。

広報にしあわくら9月号全文は以下でご覧ください。

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