次の村長は関係人口の自分だ!?ランク「イワナ」会員と青木村長との初座談会

この対談の感想をお伺いするアンケートを実施しています。本文の最後からご案内していますので是非ご回答ください!

アプリ村民票の高ランクの会員の方向けの特典※として、2024年4月に、アプリ村民票史上初めて、青木村長との座談会を開催しました。

村外の関係人口のランク「イワナ」のメンバーと、村内の長である青木村長との対話。どんな方向に話が進むのかと思いきや、西粟倉村の未来について、お互いからどんどん想いやアイディアが飛び出し・・・今回の記事では、大きな盛り上がりを見せた、初の座談会の模様をお届けします。

※アプリ村民票では、年度ごとに、ふるさと納税での寄付やイベント・アンケートへの参加などを通じた村との関係の深まりを累積ポイントによりランク化しており、会員の方々は、ランクに応じた特典を得ることができる仕組みとなっています。

左から:参加者の青木村長、加藤さん、丸山さん
司会、記録:谷内、高島

司会:まず村長からご挨拶をいただけますか。

青木村長:来村の際には、役場の窓辺から私がいるかどうかが分かりますので、これを機会に、いれば必ず声をかけてください(笑)
私は去年の選挙で、9票差というわずかな差の勝利でした(笑)西粟倉村の” 合併しない”という方向性について、私は前村長の時代から議長として推進してきました。一方で、小さな村はいつ無くなってもおかしくありません。そういう村がサステナブルにあり続けることは本当に大変なことだと、去年の選挙を通じても感じました。

西粟倉村のように移住者の割合が高くなること(注:2割弱)は、田舎では非常に稀です。そうした中で、これまでに例のない新しい自治体をどのように作っていくのか。非常に意義のあるチャレンジだと感じていますし、そのためには、加藤さんや丸山さんのように外から関わってくださる関係人口の方が不可欠だと考えています。私の4期目も、皆さんと情報や考えを共有しつつ、将来に向かって着実に歩んでいきたいと思っています。今日はよろしくお願いします。

躍動する山川

加藤さん:西粟倉村の今後の展望についてお聞かせください。

青木村長:経済効率を目指して都市に人が集中する流れは、日本だけでなく世界中で進んでいます。しかし、食を支える山畑などがある田舎は、本当に必要ないのでしょうか?この本質的な問いを考えなければなりません。

西粟倉村の山には、100年の歴史があります。その歴史の中で、今は、スギ・ヒノキが8割を占めていますが、私の少年時代(昭和30年頃)はそうではありませんでした。当時、子供心に「山ってなんてエキサイティングなんだ!」と思ったことを覚えています。今も山や川は綺麗ですが、当時は、もっと”躍動”していました。川には魚がたくさんいて、ワンダーランドでした。ぐっと惹き込まれました。しかし、その後、私が成長していく中で、山や川は変わっていきました。便利な生活を手に入れたものの、ものすごく大切な何かを失ったのではないか・・・。そう感じる中、私にとって、昔のような躍動的な山や川を取り戻すことが一番の目標であり、できるかどうかは分からないですが、自分の手でチャレンジしたいという気持ちを強く持っています。

私たちは、自然の何を知っていると思いますか?私は、ほとんど何も知らないと思っています。例えば、私が最近初めて知った話ですが、山の土の中には、微生物の情報交換のシステムがあるそうです。これは現代のインターネットのようなもので、植物の成長・衰退といった情報が土の中で伝わっていきます。だからこそ山は躍動していたのだと納得しました。

50年先、100年先のことを考えると、いつの時代も課題になるのは、”健康である”ことだと思っています。私たちは、健康を支える自然界の仕組みをまだまだ勉強しないといけませんし、自然とともに生きていく必要があります。西粟倉村においても、山をもう少し整備しながら、これまで気づいていなかった点も含め、山の仕組みや機能、山と川とのつながり、山と田畑の関係性などに、光を当てていきたいです。それができるのが、この小さな村の存在意義だと考えています。

住民の様々な想い

加藤さん:村民からも、自然を豊かにしていきたいとの要望が出ていますか? 

青木村長:村民や移住希望者の一番の悩みは、住宅不足でしょう。これまで、単身住宅の整備は行ってきましたが、今後は、世帯を持った家族が生活できる住宅の確保に取り組んでいく考えです。西粟倉村に過去からある住宅は、2〜3世代がずっと住み続けられるような大きなもので、1世帯が暮らすには大きすぎますし、管理費もかかります。そういった大きな住宅の活用法について、子どもを集めて同居したり、民宿に変えたりすることができないかなど、今考えているところです。あわせて、ちょっとした買い物ができる地域の売店も増やしていけないかと考えています。

加藤さん:先ほど村長のおっしゃっていた自然があふれる場所と、便利さとのバランスが、難しい問題だと感じました。例えば、西粟倉村独自の風景として、道路を森に囲まれたようなものにするのはいかがでしょうか。

青木村長:私は、ジブリの世界の、木が覆いかぶさるような道路が本当に好きです。その道を、尊敬の念を持ちながら、季節ごとの自然のエネルギーを感じながら通る良さがあると思っています。一方で、木が邪魔になる、危ないと考える人もおられ、難しさがあります。そうした中でも、私と同じ思いの人が少しずつでも増えると、「木を残すことを前提に道をどうするか」と考え方が変わるのではないかと期待しています。

加藤さん:西粟倉村には、他の画一化されつつある地方とは異なる景色を作ってもらいたいと、以前から思っていましたが、村長の想いを聞き、改めて、そのような景色が実現すると本当に素敵だと感じました。

西粟倉村の宝

加藤さん:西粟倉村の一番の宝とは何でしょうか? 

青木村長:宝と言えるものかは分かりませんが、合併の是非の議論を経て、西粟倉村は今に至るまで残り続けています。これは、私や村の人々の想いに、外の方々も賛同し、応援してくれたおかげです。西粟倉村は、外からの人を排除せず、大切にする気質を持っていると思います。歴史的に、村を囲む峠を越えて現れる人の情報などが村の発展を支えてきたとの記憶が、DNAに組み込まれているのではないでしょうか。

移住者も共に、よりよい政治を

丸山さん:今後、外からの人である移住者から、村の議員が出ることについて、どのようにお考えですか?

青木村長:ぜひぜひ!個人的にはもう秒読み段階に入っていると思います。私の次の村長にも、できれば40代ぐらいの若い方が出馬してくれないかと期待していますし(笑)村の中の会話でも「次の議員選挙ではIターン組から数人出馬してもよいのではないか」といった話が普通に出ているように思います。

丸山さん:村長からそのようなお話がいただけると、期待ができますね。前回の村長選挙の投票率も、都市部では考えられないぐらい高く、その結果として僅差であったことは、とても健全なことだと思っています(※事務局注:投票率は84%)。西粟倉村のように、民業と政治が非常に密接に関わっている自治体を、私は初めて知りました。だからこそ、村に外から来た人も、次の議員や村長のことをよく考えるべきですね。

青木村長:Iターンの方が出馬するには、勇気もいるでしょう。そこをぜひ後押しして、次の選挙では出馬してもらえればと思っています。

司会:丸山さんも、そろそろ決意の時でしょうか(笑)

丸山さん:まずは住民票を移すことからですね(笑)

青木村長:西粟倉村の高齢化率は36%である一方、同規模の他の中山間地域では40?50%に達するようです。すなわち、西粟倉村には30?40代の若い力が比較的多く存在しているのです。ただ、人口1,300人の村ですので、絶対数が少ないことは課題です。今の西粟倉村の若い子育て世代の人数では、1学年あたりの子どもの数は十数人程度となり、学年によってブレが生じます。例えば、今年の幼稚園への入園者は5人、一方で中学校への入学者は20人程度でした。1学年が5人規模になってしまうと、教育上の課題もあると思っています。毎年1学年15人程度を維持できるよう、若い世代には、まだまだ来てもらいたいですね(笑)

人を育てる村

青木村長:私は、地域で人を育てる力が無くなると、地域の価値は無くなると考えています。これまで、西粟倉村では、ベンチャーを育てることに力を入れてきましたが、これからは、人を育てることが非常に重要になると思います。世界に先駆けて日本で起きている地方創生の成功の鍵が、人を育てる教育であり、幼少期から、西粟倉村のこの気づきの多い自然の中で、主体的にアウトプットできる人を育んでいくことを、今後の主眼に置いています。そのためには、小学校の通常のカリキュラムを変えてもよいと考えており、今年から、教職員の方々とも一緒に練っていきたいと思っています。

さらにおもしろい西粟倉村へ

司会:青木村長から関係人口のお二人に質問をお願いします。

青木村長:こんな村だったらおもしろいのに、と思うことはありますか?

丸山さん:村長からまさに今お話のあった教育ですね。何が正解かは分かりませんが、”何にもない村だけど、そこに子どもを放り込むととてもおもしろい”というような教育が創れると、魅力的ですね。

加藤さん:人口が集中する各都道府県の都市部はコンクリートで囲まれており、生まれた時から自然と縁の薄い人々が増えています。また、日本全体の問題として天災が多い国なので、何かがあった時に守ってくれる、第二のふるさとがあって欲しいと常々思っています。都会で暮らし、他のエリアと繋がりが少ない人々にとって、西粟倉村のような村がそういった存在になってくれれば、すばらしいことです。移住まではなかなかできなくても、二拠点生活のような形であれば、可能性はあると思っています。

青木村長:アイディアをありがとうございます。今日の途中で、西粟倉村の大きな家の話をしましたが、二拠点生活の場として活用できるかもしれないですね。

加藤さん:そうですね。個人で営んでいるところに子どもを長期間一人で預けるのは少し怖さもありますが、行政の運営であれば、安心感があります。

青木村長:西粟倉村にたくさんある家を如何に活用するか、しっかり取り組んでいきたいと思います。

司会:そろそろ時間となりました。

青木村長:早いなぁ(笑)次回はぜひ、対面でやりましょう。おもしろい話は、やっぱりお酒も飲みながら(笑)

加藤さん・丸山さん:本日は本当にありがとうございました。

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