むらまる研ってどうなっとん? 〜広報にしあわくら 2023年12月号より〜

この記事の最後にPDF版のリンクをご紹介していますので、是非ご覧ください。

解説!村のあれって どうなっとん?

西粟倉の「今」を紐解く

今月のテーマ 「西粟倉むらまるごと研究所」

「むらまるごと研究所」はよく聞くけれど、実際何をしているの?自分たちの生活とはどんな関わりがあるの?と思われている方も多いのではないでしょうか。今月号はそんなむらまるごと研究所に対する疑問を少しでも解決するべく、むらまるごと研究所理事の秋山淳さんに解説いただきながら、何を目的に活動している法人なのか、そして運営している「むlabo」では何ができるのかなどをお伝えします。

Q1 そもそも「むらまる研」って何しとん?

A 企業と連携しながら、村民のみなさんがこの村でより「生きるを楽しむ」ことができるような研究・実証事業を行なっている法人です!

元々は役場、地方創生推進班の取組の中から生まれた法人なので地域の中にある課題や住民の願いを解決するにはどうすればよいかを根本に活動しています。その課題の中でも最新のテクノロジー(技術)があれば解決に繋がるのでは?というものを村外の専門家や企業と協力して実験実証する「場所」や「機会」を村内で準備することで、村民のみなさんにとっても、企業にとっても有益な新たなモノ・サービス・データの創出に繋げたいと考えています。「むlabo」は旧JAの建物を改装し、むらまる研が運営している企業と村民をつなぐ研究拠点です。

むらまるごと研究所(理事 秋山淳)

西粟倉村に移住して5年目。当法人には2020年の立ち上げから参画。
むlaboの運営及び、建築士として空き家問題や住環境の質向上に関する事業を担当。

むらまる研の役割

Q2 むlaboでは何ができるの?どういうときに行けばいいの?

A 研究室・調理室・工作室と、大きく3つの機能がある施設です。「こんなことができないかな?」というみなさんのアイデアを実現したり、解決のヒントが見つかる場所です。

むらの研究室(担当者:江住友美)

むらの研究室は、むlaboに入ってすぐのオープンスペースのことです。この場所の使い方は無限大。企業の方の研修や、研究拠点として活用しているほか、村民の皆様にはこれまでに、勉強会や講習会、役場スマホ講座の会場としていただきました。集まりだけではなく、コワーキングスペースとしてもご利用可能です。ちょっと仕事場を探しているという方はぜひお声がけください。最近はふらっと立ち寄ってむlaboメンバーに会いに来てくださったり、本を読みにいらっしゃる方もいます。ぜひお気軽にお越しください。

むらの調理室(担当者:榊原万莉子)

むらの調理室は、村民の方も利用可能な”食”を通した新しい研究や商品開発の拠点です!

飲食業許可と菓子製造許可を取得しているので、村の食材を使った調理・加工などの商品開発や、調理で作ったものを外で販売することが可能です。これまで、ごんだら煮など地域の懐かしの味や焼き菓子など様々なものがこの場所を使って提供され、多くの「おいしい」「やってよかった」が生まれています。

むlaboホームページ

むらの工作室(担当者:山﨑誠人)

むらの工作室は、作りたいものなど頭の中にあるアイデアを具現化できる場所です。3Dプリンターなどのデジタル工作機械をはじめ多様な道具を使うことができるので、「何か作りたいか」から「どうやって作るか」までを一緒に考えながら村民のみなさんのアイデアを形にしています。

ぜひ「何か作りたい!!」と思ったらまず遊びに来てみてください!

むらの工作室Instagram

Q3 私たち村民の生活とはどう関わりがあるの?

A 農業、交通、文化活動、社会福祉など様々な場面で「こうなればいいのにな」「こうしたい」と思うことはありませんか?そんな思いを実現したり、解決できるように一緒に考え、実現に向けて実践していく法人・施設です。

実例①

「草刈りが大変」「危険」「既存の自動草刈り機は平地しか運行できない」等の声により、村の農業の課題である畦畔での草刈りの負担軽減に繋げるべく、村内の認定農業者の方々のご協力のもとトヨタ自動車を始めとする企業と自動草刈りロボットの開発実証を行いました。

実証では、傾斜45度を超える畦畔で自動走行草刈りロボットの稼働を確認したり、半日程度かかる範囲の草刈り作業が1時間で実施できることを確認しました。また実証の中で、突如現れる岩をどう避けるか、ひっくり返った時の安全性、地面の質に左右されない安定性、もっと軽量化されればいいなど、更なる課題が発見されました。現在は、①この課題をどうクリアしていくか、②草刈りロボットが出来た際にどう村内に導入するかの仕組みを検討中です。

実例②

モビリティプロジェクトは、村内や周辺地域への移動の困り感を減らすために立ち上がりました。高齢者や学生・子どもたちの送迎の負担の他、視察や学生の中中長期滞在者のお出かけ手段の確保も必要となっていることから取り組みをすすめています。現在は、1人用の超小型電気自動車のコムスを「百森moby」と名付け、あわくら温泉駅と西粟倉駅に配置し、有償貸し出しを始めました。また、2人乗りの『C+POD』は共同利用として使っていただけます。

運営は「にしあわくらモビリティセンター」が行っています。脱炭素先行地域やSDGs未来都市である西粟倉村では、エネルギーの活用とクルマの組み合わせも更に重要となるでしょう。今後このプロジェクトを通じて、村で作った電気エネルギーの活用などをすすめるとともに、高齢者や子どもたちはもちろんのこと、村に集う誰もが移動に困らないむらづくりを目指していきたいと思っています。

百森モビィ ホームページ

たくさんの方ともっと村のことを研究したい。わかったことを活かして村での暮らしをより楽しくしていきたい。

むらまるごと研究所の活動は、みなさんの「やってみたいけどどうすればいいんだろう」「不便に感じている。できない。」をお聞きし、それを基に仮説を立てるところから始まります。

今までなかったものを生み出していく「研究」や「開発」には失敗がつきものではありますが、みなさんの声をきっかけに新しい製品が生まれたり、サービスが充実することで今の暮らしがより豊かになるかもしれません。

ぜひ一緒に村をより楽しく、暮らしやすくしていく研究活動をしてみませんか。村民の皆様からの相談事が、この村の未来にとって大切な研究の種となります。

広報にしあわくら12月号全文は以下でご覧ください。

電子書籍版はこちら〈okayama ebooks〉
PDFデータでご覧になる場合は下記リンクをご覧ください。広報にしあわくら2023

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