にしあわくら TAKIBI通信 vol.5

2021年春より、西粟倉村のローカルベンチャー事業の一環で新たに「TAKIBIプログラム」が始まりました。 TAKIBI通信では西粟倉村在住の方に向けて、TAKIBIプログラムに関わる情報発信を行います。

テーマは『村の医療福祉』 青木秀樹村長の「願い」を聞きました!

「私が少年だった頃(昭和30年頃)は、家制度の名残で大きな家に3世代が同居しており、介護は家の中で行われる時代でした。高度成長期を迎え、若い人が外に働きに出るようになると、家での介護がままならなくなっていきます。仕事と介護のどちらを優先するのかが社会問題となったことで、特別養護老人ホームが生まれました。

その頃は社会全体が豊かで、色んな物を当たり前に買えることを良しとする都市の価値観が主流でした。今ではそのやり方に限界が来ていて、見直す必要があることに皆が気づき始めています。家制度が終わりを迎え、価値観が多様になった今、こういう老後が良いという考え方はありません。これからは本人が望む形で老後を迎えられるようになればと思います。

一方で、村の医療福祉を今のまま支えることは難しくなっていくでしょう。今後大きくシフトチェンジしていくと思います。例えば、若い世代が未病段階から日常的に健康チェックできる機能や、デジタル技術を活用して遠隔で専門医療を受けられる仕組みが可能になるかもしれません。そうした新しいやり方を見つけるためには、村外の人や事業者との交流が不可欠です。将来この村で生きていく人が快適で幸せであることを願いながら、村として自立し続ける姿を模索できたらと考えています。」

村の皆さんの「願い」を集める調査をはじめました!

生活者視点に立って商品・サービスを生み出す仕組みの研究やワークショップ等を実践する、白取耕一郎先生(環太平洋大学 経済経営学部 現代経営学科 講師)監修のもと、村の皆さんの願いを集める調査を開始しました。青木村長を一人目とし、令和4年11月から令和5年度中までに紹介方式で約50~60名の方にインタビューをご依頼予定です。皆さまのお力添えを何卒よろしくお願いいたします。

白取耕一郎先生

TAKIBIプログラムの最新ニュース:新たな宿泊交流施設「新あわくら荘(仮称)」の建設準備が進んでいます。

約半世紀にわたって村の観光拠点としての役割を果たし、2021年1月に閉館した「国民宿舎あわくら荘」。その跡地に新たな宿泊交流施設「(仮称)新あわくら荘」の建設が計画され、現在実現に向けて進んでいます。

「観光」をテーマに扱った2021年度のTAKIBIプログラムでは、村としての観光コンセプトをつくり、それに沿って観光施設や商品・サービスを生み出していこうという議論がありました。村のブランドイメージを統一し、村の価値を上げることを目指していこうとするものです。新あわくら荘についても施設の稼働に留まらず、村全体の観光を見る視点で、商品・サービスが検討されていく予定です。設計・建設・管理・運営の担い手には、村役場のコンペティションを経て株式会社ワンテーブルが採択されました。村民や村内事業者と繋がりながら、訪れた人が村の魅力をダイレクトに感じられる空間・場所・サービスを目指し、建設準備が進められています。

株式会社ワンテーブルについて

宮城県を拠点に、東日本大震災で被災したエリアにて、うみの駅七のや・シチノホテル・シチノカフェなどのリゾートホテルや食の複合施設ATALATA、ワンテーブルパークなどを設立。年間80万人を超える観光客の集客を行う。何もないから新しい価値を生み出す経験を持つ代表取締役 島田昌幸氏の経験のもと、現在では全国の自治体と連携して事業を展開している。西粟倉村では、2019年の総務省による専門家紹介・招聘の仕組み「地域力創造アドバイザー」の活用により、島田氏が村を訪れたことをきっかけに、村の取り組みに関わっている。

村に残っていく、魅力ある事業にしていきたいと語る島田氏
画像をクリックするとPDFファイルが開きます。
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TAKIBIプログラムとは?

村の中にある「願い」を起点に、売上1億円以上のビジネスを複数創出する事業です。
願いとは「これは何とかしたいという思い」を指しており、実現に向けて村内外の人と協働しています。
目標はIターンの人だけでなく、Uターンによって地元の子どもたちが戻ってくる村を目指し、多くの人を雇用できる仕事を創出することです。開始から2年目を迎え、事業アイデアを生み出すこと、昨年度生まれた事業アイデアを具体化することを並行して進めています。

【TAKIBI通信のお問合せ先】
エーゼロ㈱  ローカルインキュベーションチーム 担当 大井・大谷・高橋 mail:lv@a-zero.co.jp
ご要望や気になることなど、お気軽にお問合せください。

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