未来へ託す、トチノキ


週のはじめ、7/1に、西粟倉村は、「SDGs未来都市」31都市の1つとして選ばれました。また、その中でも特に先導的な取組として、「自治体SDGsモデル事業」10事業にも選ばれました。

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。自治体によるSDGsの達成に向けた優れた取組の提案として、「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」があります。

提案タイトルは、

「森林ファンドと森林Re-design による百年の森林事業Ver.2.0」

です。

これまで紹介させていただいたように、西粟倉には、多様な動植物が暮らしています。ブナの原生林があり、森にはモリアオガエルが暮らし、谷底にはオオサンショウウオが暮らしています。全国の自然環境調査をしてきた僕から見ても、コンパクトに自然が凝縮されたパラダイスのような場所です。ただ、現在、森林のほとんどはスギヒノキ植林です。その状態でこの生き物の豊富さはすごいことだと思います。

「森林Re-design」により、より多様なパラダイス、生き物もたくさんいて、人間も適度に利用していて、未来の里山のような場所が出来ると良いなと思っています。1本でも森のような巨樹になり、たくさんの生き物のすみかとなり、古代から人と関わってきた木、トチノキ。七夕なので、この大好きなトチノキにそんな願いを込めたいと思います。

(p1)見上げたトチノキ。
なぜ好きなのか?この見上げた感じでしょうか?
(同じように雄大な葉のホオノキと区別がつかない。とよく言われますが、トチノキは、天狗のウチワのような、カエデのような全体で1枚の葉なのに対し、ホオノキは、1枚1枚が葉っぱです。そう見れば、もう間違えないでしょう?)

(p2)

あのたくさん花がついていた時期からまだ1ヶ月と少しですが、もちろん全てが実になるわけではなく、全体の80~90%が結実する前に落下すると言われています。

(p3)

原生林の林床には、落下したトチノキの未熟果実が転がっていました。